熟年離婚は、結婚当初から感じていた価値観や性格の相違に対するストレスの蓄積、長年にわたる精神的及び肉体的な虐待、親の介護によるストレスの蓄積が、毎日家に居座り続ける定年後の夫による自分の行動への大きな制約がキッカケとなり、女性から離婚を申し出るケースが多くあります。
また、現代の乱れた社会常識を反映する様に浮気や不倫などが原因で熟年離婚する人も多くいますが、熟年離婚した事に後悔する人には共通する点があります。
熟年離婚して後悔した人の共通点は、子供の独立を機に束縛からの自由を求めて1人になったものの夫婦共通の知人や離婚相手を知る友人などとの交友が制限されてしまう為、単独でする食事や何もやる事が無い日が続くなどに強い孤独を感じています。
熟年離婚は、孤独に加えて経済的な面で後悔する人が多く、特に財産分与や年金分割及び充分な慰謝料が貰えなかった女性が多く後悔しています。
専業主婦の女性が多い熟年離婚は、高年齢かつ未経験で希望する給与を得られる就職先を見つけられない事が多く、就職先が見つかっても高年齢による肉体的な負担と未経験による精神的な負担が想像以上で長期及び8時間の正規労働が出来ず、熟年離婚は金銭的な問題で貧窮する事が多くあります。
また、金銭面での貧窮は、女性に比べて収入の多い夫の収入で維持して来た知人関係や習い事などの友人関係を維持する事が出来なくなり、離婚後の孤独感をさらに強く感じさせると共に離婚に対する後悔を増大させる悪循環を引き起こしてしまいます。
自分の物差しではなく、他人の物差しで物事を判断しがちな方は熟年離婚を後悔しやすい傾向にあるでしょう。
他人夫婦や他人家族を見た時に自分よりも幸せそうに見えてしまう、今のパートナーではなく、他の誰かとの方が幸せになれたのではないか?そんなことを考えてしまう方が意外にも多くいらっしゃいます。
そいった方は自分の物差しがないため、自分の幸せを自分で感じたり判断したりすることが苦手な方です。どのような相手と添い遂げたとしても、同じようなことを感じてしまい、永遠に同じような後悔を繰り返してしまうのです。
普段から感謝という感情があまり湧かない、常に不平不満ばかり思ってしまうという方も、熟年離婚に後悔をしやすい傾向にあります。
パートナーに不満を持って熟年離婚をし、新しいパートナーと結婚したとします。
その結果、新しいパートナーの嫌な部分が見えてきてしまい不満を感じるようになります、そしてまた同じように熟年離婚をしたくなるのです。
また、今までのパートナーの方がよっぽどよかった…と離婚したことを後悔する場合さえあります。
自分が今までどれほど恵まれた環境にいたのか、いいパートナーに恵まれていたのか気付かず、今ある幸せに感謝することを忘れ、パートナーの悪い部分だけを見てしまうという方は少なくありません。
その結果、熟年離婚に後悔をしたとしても、それは後の祭りなのです。
人は恵まれた環境に慣れるものであり、常に刺激を求める生き物です。もっと幸せになりたい、もっと豊かになりたいと思う事自体は自然なことですが、それにも限度があります。
貪欲で感謝の足りない方は、こういった感情で身を滅ぼしやすい(熟年離婚で後悔しやすい)と言えるでしょう。
熟年離婚をして幸せになっている方の多くは、熟年離婚前から周到に準備を重ね、熟年離婚のメリットとリスクを理解し、リスクを回避するための策を講じた上で離婚に踏み切られています。
しかし、思いつきで熟年離婚してしまったり、無計画のまま、準備不足のまま熟年離婚をしてしまったりすると、生活面や金銭面で思わぬ苦労を強いられることになります。
今まではパートナーがやってくれていたことは自分ですることになりますし、パートナーと協力していたことも自分ひとりでしなければいけません。
金銭的なものでいえば生活費の工面や老後の貯蓄、税金関係など。歳をとるほど病院費がかかりますし、健康維持のためのお金、足が不自由になればタクシーを利用するなど若い頃にはかからなかったお金もかかることになります。
生活面で言えば家事や自炊です。熟年離婚年代といれば50代以上の方が大半でしょう。熟年になってから家事を新たに始めることは非常にハードルが高くなってしまいます。
しかもこれらのことは、熟年離婚をして一人になってからはじめて気づくことです。こういった事象に陥って始めて、熟年離婚を後悔してしまうのです。
熟年離婚で幸せを手に入れている方がいらっしゃる一方で、熟年離婚して後悔している方も多数いらっしゃいます。後悔されている方には、
・他人を羨む
・感謝ができない
・思いつきで熟年離婚をしてしまった
といった共通点が挙げられます。
「熟年離婚の後悔」の裏を返すとすれば、「本当は離婚なんてする必要がなかった」ということです。
今の自分に本当に熟年離婚が必要なのか、本当に自分は不幸せなことばかりなのか、離婚しなければ解決できない問題なのかどうか、熟年離婚を検討されている方は、後悔のないよう、今一度よく考える必要があるかもしれません。