子どもが巣立って自分の役目は終わった。
長年、家事や親の介護を頑張ってきたけれど、旦那の定年退職を期に不満が爆発してしまった…。
いろいろな理由で熟年離婚を考えている方も多いことでしょう。
しかし、熟年離婚にもリスクがあります。
離婚して苦痛から解放されると思っていたのに、離婚したことによりかえって不幸せになってしまうことがあるかもしれません…。
離婚を切り出す前に少し冷静になり、熟年離婚のリスクについて考えてみませんか?
20年以上連れ添った夫婦が離婚する場合に『熟年離婚』という表現を使います。
昔では熟年離婚といったことはあまり考えられませんでしたが、2008年に夫の同意が無くても夫の厚生年金や共済年金を夫婦が分割して受け取ることができるという「年金分割制度」が改正されてから熟年離婚が急増するようになりました。
その数は30年前に比べると、約2倍にも上ります。
夫の年金が分割できるから、専業主婦でも1人でなんとか生きていける。
そう思って熟年離婚という選択を選ぶ方も多いといいますが、ちょっと待ってください。
熟年離婚にはリスクが伴います。
もし、あなたがご自身の第二の人生のために離婚を選択されるのであれば、その前に熟年離婚のリスクを知っておく必要があります。
1.財産分与が難しい
離婚すると2人で築き上げた財産を分割しなければいけません。熟年離婚の場合は長年築き上げてきた分、財産も多くなるので、場合によっては話し合いが上手くまとまらない場合があります。
体力、気力、お金を必要とすることなので相当な覚悟がいることでしょう。
2.熟年離婚後の生活費
1人で生活していくのと、2人で生活するには圧倒的に1人で生活するほうがお金がかかります。生活は今までと全く違ったものになるので、計算通り順調にいくとは限りません。
夫の年金の半分が入るといっても出費がかさんで金銭的に厳しくなるというケースも少なくありません。
また、年齢を重ねると医療費等思わぬ出費がかかることも。収入が年金のみの場合にはある程度の貯蓄を用意しておく必要があるでしょう。
3.お互いの健康
男性の場合は奥さんの健康管理が無くなった途端に体調を崩す方が多いといいます。
そして意外なことに、奥さんも1人になると料理や健康管理が億劫になり、結果的に体調を崩してしまう方が多いのだそうです。
下手するとお互いが共倒れに…、なんてことにもなりかねません。
4.孤独に生きなければいけない
熟年離婚をするということは、今後の人生を1人で生きていくということです。
ずっと1人になることを望んでいた人も、いざ独り身になると孤独感を感じてしまい生きる意味を無くしてしまう方も多いのだそうです。
特に趣味や生きがいを持たない方は要注意です。
1.生きるための生活力を養っておく
離婚後は1人で生きていかなければいけません。
1人で生きていくということは、家事だけでなく、役所の手続きや電球交換や思わぬトラブルの対処など、今まで夫に頼っていたようなことも全て自分で行わなければいけなくなります。
今まで家のこと以外は夫に任せていたという方は、苦労してしまうかもしれません。
自分で学んだり、挑戦したりする気概と努力が必要になるでしょう。
ある程度の事は自分1人で出来るようになってから離婚を切り出すべきです。
2.収入を得る手段の確保
年金が手に入ると言っても人生100年時代と言われる昨今では、ある程度の貯蓄は必要です。
まだ働きに出られる年齢なのであれば、働いて収入を得ることをおすすめします。
もっと歳をとると急な病気になったり、足を悪くしてしまった場合にはタクシーを利用したりと出費が増えるものです。
また、趣味やお友達とのお付き合いにもお金は必要です。
3.孤独で残りの人生を過ごす覚悟
これからの人生を1人で生きていく覚悟があるのかどうか、自分自身を振り返ってみましょう。
もし、できないのであれば友人を作ったり、熱中できる趣味や生きがいを事前に探しておくことをおすすめします。
昔と比べれば、熟年離婚後も女性が独り身で生きていきやすい社会になりつつあります。
しかし、熟年離婚にはリスクがあるため事前にしっかりとリスクを知った上で、離婚後でも1人で生きていけるかどうか検討してみる必要があるのではないでしょうか。
金銭面といった現実的な数字を出しつつ、熟年離婚後の自身の生活をイメージしてみてください。
この記事があなたの今後の人生がよりよいものになるお手伝いとなりますように…。